Murai式人工雪装置の詳細

最近大型で高効率のペルチェ素子が簡単に手に入るようになりました。この装置が製作可能になったのも、このペルチェ素子の高性能化と低価格化(とネットでの通信販売)によります。

ペルチェの能力をいかに引き出すかに苦労しました。一時は-7℃程度までしか冷えず、最低目標の-15℃まではとても無理ではないかと言う状態が続きましたが、毎夜考えに考え、使える材料をネットで検索し、基礎データ実験と試作の末、3ヶ月でやっと小さな雪結晶を作ることができました。

温度を目標まで下げることができればこっちのもの。あとは中谷と同じ実験ができるかが焦点になりました。

ここに掲載しました画像・図に関しては複製・無断使用をお断りします。詳細は2005年日本雪氷学会誌「雪氷」vol.67,No.4に掲載されていますのでご覧下さい。また本装置は実用新案  第3106836号に登録されております。

中蓋・外蓋をはずした状態の装置全景。装置中央に水蒸気発生装置が見えます。装置の下部半分で水蒸気発生装置と結晶支持具の間隔が調節できるようになっています。

心臓部とも言える冷却ユニット断面。ここの部分が成功の秘訣でした。

装置全体の断面

この装置を製作した時点での目標温度は-25℃でしたが、結果的には目標よりはるかに低温までの冷却が可能になりました。

<素子に加える電圧(Ep)と冷却水温(Tc)による到達温度のグラフ>
左は本装置での結晶生成点の温度(Ta)変化(冷却フィンではありません)。到達温度はペルチェ素子に加える電圧と冷却水温によって変わることがわかります。本装置ではEpが6.0Vで、水温マイナス46.6℃までの冷却ができます。

ペルチェ素子にさらに電圧を加えることにより、-40℃程度までの実験が可能です。

注意
この装置では40mm×40mm・最大電圧17.5V・最大吸熱量85Wのペルチェ素子を使用しています。
ペルチェ素子に詳しい人ならわかると思いますが、ペルチェ素子の仕様には最大電圧・最大電流・最大吸熱量等が記載されています。ここで使っているペルチェは最大電圧17.5Vのものですが、実際には17.5V加えることはできません(やってみればわかりますが、排熱できずに破損します)。さらに最大級熱量は、素子の両面の温度差が0℃の場合であり、実際にこのままの性能が出るわけではありません。素子を選ぶときには仕様が何を現しているかしっかりつかんでおくことが必要です。

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