【エピローグ】
大学の卒業研究で雪の結晶を少しかじった。
でも、おせじにもまじめな学生ではなかったし、
本当に、結晶のことを分かっていたわけでもなかった。
何しろ、クラブに一生懸命だった。
大学を卒業して、郷里の石川に帰ってきた。
ある日、加賀に「中谷宇吉郎 雪の科学館」ができたと知った。
大学時代、英語の論文に良く出てきた「NAKAYA」が、自分とおなじ石川県の出身だと初めて知った。
論文の中の、偉い人がこんな近くにいたなんて。
いろんな意味で、自分の勉強不足を実感した。
「もっと、一生懸命やっておけばよかったなあ」。
いろんな世界を知った今なら、もっと意味ある研究ができるだろうと思う。
でも、過ぎた時間、チャンスはなかなか戻ってはこない。
あれはもう10数年も前のことだから。
できれば、もう一度雪の結晶と遊びたいと思う、今日このごろ。