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1.我が家の小さな天体観測室 : 「金沢竹ヤリ観測所」
2015年8月に自宅を新築。長年のアパート暮らしから脱出すると同時に、子供の頃からの念願であった小さな天体観測室を設置しました。観測所名は「金沢竹ヤリ観測所」(笑)。
 
アマチュア(特に惑星観測者)の世界では口径25cm〜40cmという望遠鏡があたりまえ。よく、大口径の望遠鏡を「大砲」といか言いますが、我が観測所は主砲が15cm。大砲じゃなくって「竹ヤリ」で星を狙います。(ただし、知る人ぞ知る、普通の竹ヤリじゃぁないんですが)

これから自分の観測室を作る方の参考になるかもしれませんので、ここにメモしておきます。

(上)観測室内全景: ルーフを開けて温度順応中

(右)入り口ドアから内部を見る: ドアの位置は南側、特注の位置


夜の観測室1: 街中なので空は明るい

夜の観測室2: 観測準備OK
 2.観測所建設までのあれこれ
@ 施工前の計画
土地を取得してすぐに観測室の構想を立て始めました。観測室と接続する渡り廊下は、母屋の完成後に建築開始することに。

建築会社の初期見取り図(右)とAkinokoの修正配置図(左)

3月: Akinokoの案に沿った完成予想CG
   
A 1F部分建設
1F部分は観測室の高さを稼ぐと同時に、外部収納として使えるようにしました。

8月: 母屋完成。
左手前の擁壁の中が観測室建設スペース

10月26日 基礎工事中

10月30日:足場設置

10月31日: 1F基礎工事終了

11月7日: 防水シート工事(西側)

11月7日: 防水シート工事(東側)

11月17〜20: 渡り廊下建設
振動防止のため、構造的に観測室と切り離されている(自立している)。   

12月9日:外壁サイディング工事中
  
12月19日: 1F部分完成(手すりは未設置) 
母屋との外見の一体感のため、外壁・基礎の高さ・手すりなどこだわりました。
1F部分は外部収納として利用します。

スライドルーフ設置場所。
固定のためのアンカー工事がしてあります。
基礎はルーフのクリアランス優先で高さ30cm。

11月29日: 1F補強支柱(中央)+頬杖
 

 
 
1Fは母屋のハウスメーカーの紹介で、優秀な建築屋(とはとても思えなかったけど)に設計・施工してもらうことにし、イロイロ考えましたが振動が収まりやすいと言う理由で木造に。
しかし、この建築屋の仕事が遅くて、オマケに望遠鏡を乗せる事の意味(振動と重量)が理解できないため、何度も注文し直しや確認をして、12月中旬にようやく完成。予定より1ヶ月以上遅れ、スライディングルーフの設置は12月にずれ込みました。
  
B 2015年12月23日: スライドルーフ設置 
開口部を大きくとりたかった + 家全体の外観を壊したくなかったという理由で、ドームではなくスライドルーフにしました。1F工事遅延のおかげで12月の末に設置。当日雪が積もってなかったのは奇跡です。

9時過ぎ: スライドルーフが名古屋から到着

10時47分: クレーンで吊り上げて、、

設置へ
   

固定とコーキング作業
ニッシンからは2人が作業にきました。

11時07分: 設置完了・ルーフ全開

ページ1番上の予想CGとほぼ同じ仕上がり!

母屋2F側から、ナナセと完成記念撮影
スライドルーフはニッシンドームのSRS2524(2.5m×2.4m)。渡り廊下に合わせて、出入り口ドアを南側の右にしてもらってあります。(標準仕様はルーフの下=東西側)
ルーフは人差し指1本で開くくらいスムーズです。(経年変化は不明ですが)

10月に注文して納期は2ヶ月ほど。スライドルーフの他に、クレーン代と出張・設置費用が別途かかります。出張・運搬設置費用は8万円、クレーン代は3万円弱でした。
 
C その後の追加工事等

2016年1月16日: 観測室内の床張り

 2016年3月26日: 1F強化補強工事
スライドルーフ設置が完了したら、望遠鏡の位置を決め、次は知り合いの大工さんに頼んで床張り。床は観測室内の
@居住性向上のため、
A観測者の振動を望遠鏡に伝えないため、
Bピラー脚部や配線を足に引っかけないように床下を通す、
C物を落としたときの破損防止の目的も。
一石四鳥ですな。
観測室を稼働させてみると、高倍率時車が横の道路を通過したり、室内の自分が動いたときに、観測室に伝わる振動が気になることがわかました。
そこで1Fの補強=頬杖を増やし、短辺方向・奥側はボックス状の構造物の追加=をおこないました。
施工してくれた大工さんからは「地震が起きて母屋が倒れても、ここだけは絶対に倒れない」と言われています。 

       
  

2018年8月25日 さらに補強工事

おまけ SolarPanel
右上の工事によってかなり収まった振動のうち、柱自体の振動を止めるため、水平方向に2本の柱を入れる工事を行いました。が、効果のほどは不明です。

1Fは外部収納として使っているのですが、空間の高さが3.5mほどあるので、構造を追加しても使い勝手には全く問題ありません。
我が家の南側の屋根にはソーラーパネルを設置してあります。出力は5.5Kw。我が家のエネルギー自給率は年間トータルで約96%です。雪の多い金沢でこれですから、太平洋側だと楽に100%を超えるはず。
CO2や環境、原発にうるさい人は、まず自分の家にパネルを設置して欲しいと思っています。
観測室はこの屋根の向こう側。
      
3.その他の装備品

除湿器(左)とコーナー棚
観測後はルーフを閉め、すぐに2時間除湿。
デッドスペースになりやすいコーナーには棚を設置し電話機とスタンドを。下にはドライキャビネット、オーディオ

アクセサリトレイ
笠井から売り出されていたジャンクのトレイを3つ組み合わせて作ったトレイ。
転がりやすいアクセサリを立てておける便利モノ。

上: 観測室内モニタ
ワイヤレスドアホンを流用して、自分の部屋から観測室内をモニタできるようにしてあります。ルーフの閉め忘れ、望遠鏡の電源の切り忘れなどを母屋から確認。
 
夏季の室内の温度上昇を抑えるために、ルーフのフレームを利用して発泡スチロール板で断熱。テンションで挟まっているだけなので取り外し自由。効き目は不明。

2020年6月 西側の壁のデッドスペースに、ちょいとパーツを置ける棚を設置。これがまた便利で使いやすいんです。
    
4.お客様
 観測室へは家の中を通らなければ入れないようにしてあるので、防犯上一般の人は解放はもちろん、見学者も中に入れることはありません。
ただし、天文関係の知人から「見せて」と 要望を受けたときにだけ入っていただきます。 

2025年10月 東京+千葉から中西・外山・清水さん
 
 2025年10月 東京・立川から皆川さん →
 
2025年10月 北海道新聞社・北波さん

2025年9月 雪氷学会出発の日に(株)興和のメンバーが来所
 
2023年5月 神奈川から佃さん
 
2022年9月 石川テレビの密着取材
我が観測所=「サグラダファミリア」はいつ完成するかわからないまま、アレコレ改良を重ねています。

次は何をしようかな。
   
というわけで、
晴れた日の夕方には観測室のルーフを早めに開け、
望遠鏡を冷やしながら、空中回廊でビールを飲んで夕暮れを待つ、、、、ということができるようになりました。
幸せの一瞬。
めでたしめでたし。

   
 
 参考メモ:観測室を作る際の心配事2つ。それは台風積雪
@台風
注文時、ニッシンに「台風などでルーフが飛んだりしないか?」と聞いたところ、「うちのドームは沖縄から北海道まで200以上設置してあるが、台風で被害を受けたことは1回もない」と自信満々の返事でした。

→ スライドルーフ設置から10ヶ月後、2016年10月に台風18号が日本を直撃し、金沢では観測史上最大タイの瞬間風速43.4mを記録しました(毎日新聞記事)が、なーんともありませんでした。内部に物が吹き込んだ様子もなし。たいしたもんです。
A積雪
金沢を含む日本海側の水を多く含んだ積雪は、時に家屋を倒壊させるほどの重さがあります。ドームは雪か乗っても傾斜が急で、形状も球状なので過重が360°方向にかかるため心配ありませんが、スライドルーフはそうはいきません。

→ 2018年1〜2月の大雪では私の地域の積雪は1mを超え、ルーフ上には最大80cmほどの積雪がたまりましたが問題ありませんでした。
できれば、ルーフの表面がもう少し滑り易いか、傾斜が急であれば積雪は自動的に落下するのでもっと安心ですね。
結論
台風も積雪もよほどのことがない限り問題ないようです。
ただし、台風時はルーフのフックを固定するのを忘れずに。

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