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雲の和名はどこできめられているのか?
1920〜40年代、中央気象台(今の気象庁)ではICA1896あるいはIACSS1930を元にした雲の分類が使われていましたが、雲の和名は現在と異なっている点もありました。
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1951年にWMOが設立され、日本は1953年に加盟しました。  
この3年後、1956年に、WMOは現在の原型となる、T・U巻構成のICA1956を公開・発刊しています。(ICAとは)
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気象庁は1959年に測候時報でこのICA1956を翻訳し、解説しており、さらに、この中で「気象観測法にこれらの主要部分が取り入れられる」と書かれています。
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つまり、本当の意味で日本がWMO基準に合わせて現在の雲の分類を提案し和名をつけたのはこの年だと考えても良いと思います。
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その後、気象庁(日本気象協会)が1969年・1971年に発行した「地上気象観測法」には、ICA1956に対応した(つまり測候時報1959の)和名の雲の大分類表が掲載されています。
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気象庁が1988年に発行した「地上気象観測法」(右写真)、および1989年発行の「地上気象観測観測法別冊 『雲の観測』」の中にも、ICA1975(T巻)に対応した)和名の雲の大分類表が掲載されています。
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地上気象観測法は改訂され、1993年には地上気象観測指針として出版されていますが、この中には「雲の観測は1989年のものを従来の通り使用する」と明記されており、1989年の和名が気象庁の和名として現在でも使われています。
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つまり、現在も雲の和名の基準は
1989年の「地上気象観測法 別冊『雲の観測』であると言えます。
ところが、いくつかの本やサイトでは誤った表記や独自の名称が使われているモノが見られます。最近ではある(有名な)気象庁の職員の本やサイトにさえ,間違った名前や分類がされていて、一部に誤解と混乱をきたしているくらいです。
ICA2017新出雲の和名について   
・雲の学名はラテン語を元に名付けられています。 → 雲の学術名・英語名のラテン語由来と和名対照表
・気象庁が最後にこれに対応する雲の分類名(和名)の資料を出したのが上記の地上気象観測法 別冊「雲の観測」 ; 1989です。本サイトでの雲の分類法および名称(和名)はこれに準じています。
・今回新しく追加された雲の和名(日本での呼称)が正式に決まっていません。そこで本サイトでは新しい雲に関しては「雲の和名ワーキンググループ」提案による名称と原語の両方を示してあります(下表)。
 
 追加された場所  追加された雲名 対応和名 
@高積雲・層積雲の種に追加された分類
「volutus」  → ロール雲  
A「部分的な特徴」に追加された新たな分類5種
「asperitas」  → 荒底雲(こうていうん)
「cauda」 → 尻尾雲(しっぽぐも)
「cavum」  穴あき雲
「fluctus」  → 波頭雲(はとううん)
「murus」  → 壁雲(かべぐも)
B「附随雲」に追加された新たな分類 「flumen」  → 流入帯雲(りゅうにゅうたいうん)
C自然の雲の分類体系に統合された特殊な雲6種

大分類の中での特殊な雲の位置づけ(PDF)
「flammagenitus」 → 熱対流雲
「 homogenitus」 → 人為起源雲
「 Aircraft condensation trail・Cirrus homogenitus」 → 飛行機由来巻雲
「homomutatus」  飛行機由来変異雲
「silvagenitus」  しぶき雲
「cataractagenitus」   森林蒸散雲

注意:ワークグループの和名はこれまでの気象庁の雲名の以下の呼称ポリシーを尊重して設定されています。
 
  1.雲名のラテン語原語の持つ意味を尊重する
  2.名前から見たままの形状が連想できる
  3.ICAの「各雲の定義」を尊重する
  4.漢字またはひらがな・カタカナ1〜4文字以内に簡潔に
 
よって、「アスペリタス雲」・「フラクタス雲」・「K-H波の雲」などと言う一部で使われている名称は(和名としては)な
不適切だと判断しています。
 
 〈参考資料〉
International Cloud Atlas . 1896, International Meteorological Commitee
International Atlas of Clouds and of States of the Sky. 1930, International Meteorological Commitee
International Cloud Atlas Volume T. 1956, World Meteorological Organization
International Cloud Atlas Volume T, 1975, World Meteorological Organization
International Cloud Atlas Volume U, 1987, World Meteorological Organization
気象観測法, 1940, 中央気象台
測候時報, 1959, 気象庁

地上気象観測法, 1950, 1956, 1969, 1988, 中央気象台&気象庁・日本気象協会
地上気象観測法 別冊「雲の観測」, 1989, 気象庁
地上気象観指針, 1993, 2002, 気象庁・日本気象協会 他
    
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