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6つの新しい雲の仲間:特殊な雲=Special Cloud とは
 ここに挙げる6つの特殊な雲=Special Cloudは、通常の雲と違い航空機や工場・火山など地表付近の局所的な要因で発生し、通常の雲へと遷移していく雲たちです。(それぞれがどの雲へ遷移するかは右表参照)

 これまでの国際雲図帳(International Cloud Atlas)では、通常の雲と分けて別項目で扱われていましたが、2017年の改訂で、雲の大分類表(ICA Section2.1.4 table.2)に組み込まれ、自然の雲(10種雲形)へと移行する雲として一般の雲と同様に扱われるようになりました。

 特殊な雲は次の6つに分けられています。
  1.飛行機由来巻雲
  2.飛行機由来変異雲
  3.人為起源雲
  4.熱対流雲
  5.しぶき雲
  6.森林蒸散雲


分類表の中での特殊な雲(Special Cloud)の位置づけ
画像をクリックするとPDFファイルが開きます。
  
1.飛行機由来巻雲  (Aircraft Condencation trails ・ Cirrus Homogenitus)
 国際雲図帳2017(International Cloud Atlas 2017)では、飛行機雲として発生し10分以上継続・発達した雲を、自然発生の雲と同様に分類表の中で扱うことになりました。
 飛行機雲は継続すると
まず巻雲へ変化します。この状態を「飛行機由来巻雲」と呼びます(英語名Aircraft Condencation trails・学名ではCirrus homogenitus)

飛行機雲から変化した巻雲=飛行機由来巻雲

たくさんの飛行機が頭上を飛んでいることに気づく

飛行機雲から変化した巻雲=飛行機由来巻雲。
次第に自然に生まれた雲とは区別がつかなくなっていく。
左・上)
   
・学名での呼称ルール: 飛行機雲は急速な変化を経て、さまざまな一時的な形状を示すため、名前に種、変種、部分的特徴名はつけず、Cirrus Homogenitusのみで呼ぶ。 
 
2.飛行機由来変異雲  (Homomutatus)
 飛行機雲は変化して大きく広り、多くの上層雲を作り出します。飛行機雲が内部から変容し、自然の雲同様の新しい雲となったものを「飛行機由来変異雲」とよび、これらは継続して観測していないと、自然発生の雲とは見分けはできなくなっていきます。

 巻雲・巻層雲・巻積雲の3雲形に発展・変異し、例えば「飛行機由来の変異巻層雲」とか「飛行機由来変異巻積雲」などという名称で呼びます。

飛行機雲が発達・高密度化して変化していく遷移過程。(上・右)

 
飛行機由来変異の巻雲

飛行機由来変異の巻層雲
飛行機雲が発達して全天を覆うようになった巻雲(左)と巻層雲.。継続して観察していないと、元が飛行機雲だとはわからない。 
・学名での呼称ルール: 雲形(巻雲、巻積雲、巻層雲)名+必要なら適切な種、変種、部分的特徴をつけ、末尾に「homomutatus」をつける。(たとえば、Cirrus floccushomomutatusまたはCirrusfibratus homomutatus)。
     
3.人為起源雲 (Homogenitus)
 工場の煙突からの排気、あるいは発電所などの冷却塔からの水蒸気によって発生する雲。煙は煙突から離れるに従って拡散・薄化していきますが、この雲は発生源から離れるに従って発達・成長していくので、煙ではないことがすぐに判断できます。

 層雲・積雲・積乱雲の3雲形ができ、例えば「人為起源の積雲の並雲」・「人為起源の層雲」などと呼びます。
 
東京湾上の飛行機から見た人為起源の積雲。
たくさんの積雲が生まれている。
 
大きく発達した人為起源の積雲の並雲。
雲底は接地逆転層によって平らになっている。
 
・学名の呼称ルール: 
人間の活動の結果として特に発生したことがはっきりと観察された雲には、適切な雲形(層雲・積雲・積乱雲)+必要な場合は、種、変種、部分的特徴名+末尾に「homogenitus」をつける。(たとえばCumulus mediocris homogenitus)
     
4.熱対流雲 (Flammagenitus)
 森林火災、火山噴火などで発生する熱対流によってできる積雲状の対流雲。ごく限られた場所、限られた条件の時でのみ見られます。
 これまでPyro cumulus(熱積雲)などとも呼ばれていた雲。

積雲と積乱雲の2雲形ができ、「熱対流の雄大積雲」・「熱対流の積乱雲」などと呼びます。 
※学名での呼称ルール: 雲形名(積雲と積乱雲) +必要なら種、変種、部分的特徴 +末尾に「flammagenitus」をつける。
(たとえばCumulus congestusflammagenitusまたはCumulonimbuscalvus flammagenitus)。
 
5.しぶき雲 (Cataractagenitus)
 大きな滝で水が砕けて水しぶきになり、局所的にできた雲。
できた雲は、ほとんどの場合層雲状で、低い位置に漂います。

 ほとんどの場合層雲ですが、場合によって積雲ができることがあり、「しぶき雲の層雲」などの名称で呼びます



←しぶき雲の層雲
※学名での呼称ルール: 適切な雲形(積雲・層雲) +必要なら種、変種 +末尾に「cataractagenitus」をつける。(たとえば、Cumulus cataractagenitusまたはStratus cataractagenitus)。  
 
6.森林蒸散雲 (Silvagenitus) 
   樹冠からの蒸発と蒸発散による湿度の増加によって、森林上方に局所的に発生する層雲。

 普通は樹冠に接するほど低空に漂い「森林蒸散の層雲」と言う名称で呼ばれ、降水の後など、湿度の高い時にのみ見られます。

 層雲のみができ、「森林蒸散の層雲」と呼びます。
※学名での呼称ルール: 層雲 + 必要なら+種、変種、部分的特徴 +「silvagenitus」をつける。 (例えばStratus silvagenitus )
 
   
画像中に「Uyama/Yoshiaki」のネームが入っているものは、雲のカタログの共著者:鵜山義晃さんから提供していただいた画像です。
Thank you !! 

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